調査・レポート

「GIGAスクール端末および情報モラル教材の活用状況と効果、教員意識に関する調査報告書」を公開

GIGA端末8割が調べ学習利用、教員9割が対話・協働学習を重視、8割以上が利用ルール明確化を要望。情報モラル教材はトラブル回避指導を中心に効果を実感、約8割が継続利用意向。

2027年07月06日


トップページ > 調査・レポート > 「GIGAスクール端末および情報モラル教材の活用状況と効果、教員意識に関する調査報告書」を公開

「GIGAスクール端末および情報モラル教材の活用状況と効果、教員意識に関する調査報告書」を公開と記載され、円グラフがデザインとして掲載された画像

LINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)は、GIGAスクール端末および活用型情報モラル教材「GIGAワークブック」の活用実態と教育効果、教員意識を把握するため、導入校の教員・管理職を対象に実施した調査結果をまとめた報告書を公開しました。

本調査は、主要な小・中学校の教員354名、管理職45名の計399名を対象にウェブアンケート形式で実施。端末や教材の活用状況、教員が感じる効果、教育観、現場で必要な支援などを幅広く調査しました。

報告書では、調査結果を踏まえた「情報モラル教育実践へのポイント」も提言。端末活用が日常化する一方で、指導方針や活用ルールの明確化など環境整備が引き続き求められている実態が明らかになりました。

■調査概要

・調査目的
GIGAスクール端末および活用型情報モラル教材「GIGAワークブック」の活用状況を把握し、教員の立場からの効果実感を明らかにする。

・調査手法
GIGAワークブックを導入している自治体・学校の教員および管理職(校長・副校長・教頭)に対するウェブアンケート
・調査対象者(有効回収数)
GIGAワークブックを提供している主要な小学校または中学校の教員・管理職(教員354名、管理職45名)

・調査時期
2025年10月24日 ~ 2026年1月31日

・調査委託先
株式会社マクロミル

・調査監修
多摩大学情報社会学研究所
明星大学 教育学部 教授 今野貴之

■調査項目

・回答者プロフィール(校種/職名/職歴/担当学年/担当教科)
・GIGAスクール端末の活用状況(活用頻度/活用用途)
・教育観・職場環境
・GIGAスクール端末に対する考え
・学校での取り組み内容(情報モラル・情報活用スキルの育成のための取り組み)
・GIGAワークブックの活用状況(認知率/指導内容/活用理由/効果/今後の活用意向)
・GIGAワークブック活用者の特徴(担当学年/担当教科/端末活用用途/端末に対する考え等)

■調査結果データ(抜粋)

今回の調査では、GIGAスクール端末およびGIGAワークブックについて、活用状況や活用の理由、教員の立場からの児童・生徒に対する効果に関する回答が得られました。その結果から、GIGAワークブックは、コミュニケーショントラブルや個人情報の取り扱いなどの指導に多く使われ、また教員もその効果を実感していることがわかりました。

本調査で収集したデータの分析結果をもとに、特徴的な傾向を以下の通りまとめています。

1.   GIGAスクール端末を週4日以上活用する教員は50%以上、約83%以上が調べ学習利用、用途には偏りも見られる

2.   約90%の教員が「対話や協働を伴う学習」や「情報活用スキルの育成」を重要視

3.   GIGAスクール端末の活用のために、約84%の教員が「指導方針やルールの明確化が必要」と考えている

4.   GIGAワークブックは、主にコミュニケーショントラブルや個人情報の取り扱いなどの指導に用いられている

5.   GIGAワークブックの主な活用理由は、トラブル回避の必要性や教育委員会からの推薦など

GIGAワークブック導入後は、児童・生徒と教員自身の双方に対する効果を実感、今後の活用意向が約77%と高い

■考察サマリー(明星大学 教育学部 教授 今野貴之氏)

本調査結果を踏まえ、明星大学 教育学部 今野貴之教授による「情報モラル教育実践へのポイント」として、以下の4点が提言されています。

(1)情報収集と発表の間に、整理・分析の思考を組み込む授業設計
「調べる」「記録する」「発表する」に加え、情報を比較・分類し、矛盾や根拠を考える時間を意図的に設けることが重要。

(2)情報活用能力を関係性の中で育てる授業設計
情報モラルを個人スキルとして教えるだけでなく、相手の受け止めや関係性の中で起こる問題として対話的に学ぶ視点が求められる。

(3)書かせる手続きを超え、学びの本質を見取る授業
振り返りの記入など形式にとどめず、教師が「何を経験させたいか」を見据え、学級の関係性や学びの変化を見取ることが必要。

(4)個人の工夫を組織で支える、環境整備としての方針づくり
端末活用を個々の教員任せにせず、学校や自治体が方針・ルール・相談体制を整え、実践を組織の財産として支えることが重要。